夜尿症の検査
夜尿症ではまず問診と尿検査を行います。
問診では、「夜尿の頻度」「夜尿の量」「昼間のお漏らしの有無」「生活習慣」「病歴」などを確認します。
早朝の尿を検査して、尿を濃縮しているホルモンの分泌に異常がないか確認します。
血尿や蛋白尿などであれば腎臓疾患が隠れている可能性があるため更なる検査が必要です。
夜尿症の診断
夜尿症のタイプは3つに分かれます。
- 多尿型・・・尿が通常より多く作られ、膀胱に容量以上の尿が貯まってしまい夜尿をしてしまう。
- 膀胱型・・・尿の量は通常だが、膀胱に貯められる量の容量が少なく、夜尿をしてしまう。
- 混合型・・・上記の2つの原因が重なって夜尿をする。
タイプによって治療法が異なるので、まずは夜尿症のタイプを知ることが治療の第一歩です。
夜尿症の分類
夜尿症には、6ヵ月以上おねしょがなかった時期がなく、小さな頃からおねしょが続いている夜尿症のことを一次性夜尿症と言います。
また、おねしょがなかった期間が6ヵ月以上あり、再度おねしょが起こるようになることを二次性夜尿症と言います。
小さなお子さまの夜尿症は一次性夜尿症がほとんどを占めており、生活習慣や体の成長によるものですが、二次性夜尿症では、ストレスによるものが要因となることが多く、おねしょが再発してしまった場合は、お子様の変化がないか確認する必要があります。
夜尿症の治療方法
夜尿症の治療は生活改善が基本になります。
当院では問診により生活習慣の改善点についてアドバイスさせていただきます。
そのために、日々の夜尿について
- 夜尿の頻度
- 一回の夜尿の量
- 昼間の夜尿の有無
などを記録を付けることをおすすめしております。
それにより適切な指導が可能になりますのでお子様と一緒に改善していきましょう。
また必要に応じて抗利尿ホルモン剤を使用した薬物療法も行っていきます。
これにより夜間に作られる尿を濃縮するので尿量を減らすことができますが、飲む水の量が多いと水中毒という症状を引き起こすことがありますので、水分の摂取量をコントロールする必要があります。
生活習慣の改善
夜尿症の治療には生活習慣の改善が最も基本的で重要な治療になります。
①規則正しい生活
夜間の尿量を減らしてくれる働きのあるホルモンは寝ている間にたくさん出るためお子様の成長にはしっかりとした睡眠が必要です。
早寝、早起きや決まった時間の食事を心がけましょう。
②水分、塩分接種の見直し
水分摂取で大切なことは、朝から昼にかけてしっかり水分を摂り、夕方以降は摂取量を減らすことを意識しましょう。特に夕食以降は水分は極力避け、どうしても水分が欲しい場合はうがいや氷を食べるなどの工夫をしましょう。
塩分もたくさん摂取すると不必要な塩分を排出するため、尿が多く作られることと過剰に水分を摂取する原因にもなりますので、スナック菓子や夕食時の味噌汁やスープもできるだけ控えましょう。
③便秘に気をつける
便秘は膀胱を圧迫し、夜尿の原因となっている可能性があります。食物繊維を多く含む野菜、果物、豆類、イモ類を積極的に食べるように心がけましょう。
④寝る前にトイレに行く
寝る前には必ずトイレに行きましょう。
布団に入って30分から1時間経っても寝付けない時はもう一度行きましょう。
⑤冷え対策
身体が冷えると膀胱が収縮し、膀胱に溜められる尿量が減ってしまいます。
秋から冬にかけては特に寒さが強くなりますので、しっかり対策しましょう。
- ゆっくりお風呂に浸かる
- 布団を温めておく
- 就寝時にも靴下や腹巻きなどの対策をする