こどもにも大人と同じように便秘が起こります
便秘症はただうんちが出ないだけで、よくある病気でたいしたことではないと考えていませんか?
実はこどもは排便機能が育っていないため、10人に1人以上便秘症の方がいると言われております。こどもの便秘はきちんと治療しないと悪循環が起き、大人になった後も便秘になる方や遺糞症になる方もいます。また、イライラや多動など精神的な成長にも悪影響が起きます。
こどもの便秘症は幼児の時期と小学校入学した頃に発症することが多くありますがそれぞれ原因が違うため違った対処をする必要があります。
便秘とは
一般的には週3回より排便が少ないか5日以上でない日が続いた状態を便秘と定義されておりますが、こどもの便秘は「便が長い時間でないか、出にくいこと」を言います。
毎日出ていても、うんちを出すときに痛がっていたり、肛門が切れて血が出ていたりする場合も便秘となります。
この便秘により治療が必要な状態を「便秘症」といい、便秘症が1~2か月続いた場合を「慢性便秘症」と呼びます。
ただし、赤ちゃんの場合には排便が上手くできないため、うんちが柔らかくなかなか出せないこともありますがこのような状態は「ディスケジア」とよばれ、治療が必要なものではありません。
以下のチェックリストをご参考に、チェックリストに複数当てはまる場合には便秘症の可能性が高いので一度当院までご相談ください。
便秘チェックシート
● 赤ちゃん・乳幼児
- 排便の回数が週3回より少ない
- 5日以上出ない日が続く
- 肛門が切れて出血がある
- 太い便がある
- うんちを出す時に痛がって泣く
- 下腹に便の塊がある
- 十分な便が出ていないのに、少量の便が漏れて出る。
● 幼児・小学生
- 排便の回数が週3回より少ない
- 5日以上出ない日が続く
- 週1回以上のうんちのおもらし
- 排便時、我慢をしている様子がある
- 下腹に便の塊がある
- 水分をあまり摂らない
- 朝食を抜く
- 朝食後から学校に行くまでにトイレに行かない
ご家族の方へ
赤ちゃんの頃の便秘は排泄機能が未熟なことによるものがほとんどですが、それ以降の便秘はうんちを我慢することがきっかけで起こります。
そして我慢のきっかけはお子さまによって異なりますが、何かしらの原因があることが多いので、お子さまとしっかり向き合い
原因を理解して取り除いてあげないと便秘の状態は悪化してしまいます。
子どもがうんちを我慢する理由は排便時の痛みが原因であることが多いですが、「温水洗浄便座の音が怖かった」、「トイレが狭くて怖い」など本人にしかわからないことがきっかけのこともありますので、うんちを我慢する理由やトイレが嫌いな理由を聞いてあげましょう。
便秘症治療のゴールは、お薬に頼らず自分でうんちができるようになることです。
正常は排便になるまで早ければ 6 ヵ月、長ければ数年かかる場合もあります。
そのため、成長すればそのうち治るだろうと考えず親御さんが一緒に治療をしていくというスタンスが大切です。